一部木材の輸入禁止措置について

ハコや家具等で愛用していた紅松のシベリア産のものが輸入禁止になりました。
偏愛とも言えるほどお気に入りの材料でしたので、大変残念ですが、
動物や自然保護の為なので仕方ありません。
今後は国内に在庫してある分のみでの製作になります。
おそらくたいした量の仕事は出来ないのかもしれません。

どんな材料なのか、説明がてら、
以前ARTS&SCIENCEさんにて展示をしたときのスタッフさん向けの説明書きを載せてみます。

紅松はシベリアからやってきました。
タイガという広大で過酷な気候帯の針葉樹林で育った樹木です。
あまりにも気候条件が過酷なため、毎年毎年ほんのすこしずつしか成長しません。
緻密な年輪を見れば判りますが、300年程の樹齢のものがこのハコになりました。
およそ江戸時代中期のころから生えていた木であり、
今回のwoodenboxのなかでは価格帯の低い製品群ではありますが、
樹齢からみると一番希少性の高い木であると言えます。
一般に針葉樹は気温の寒暖の差で暴れが出やすい材料として知られていますが、
この紅松に限って言えば、おそらくその心配は無用であると思います。
品物になってからも永く生活の中で役に立ってくれる事を願いながら製作しました。
質素で朴訥な風合いが特徴の質感ですが、傷や汚れが目立ちやすい反面、
それゆえにあなたとともに思い出が刻まれていくとも言えます。
無垢の木は湿気や乾燥に反応しやすい性質がありますので、
あまりエアコンを効かせた場所やバスルームの中など、
無垢の木の品物には向かないシーンでのご使用はお勧めできませんが、
定期的に木の繊維にしみ込ませる様に蜜蝋のワックスを塗布していただければ、
良き友として役に立ってくれると思います。