FOOTWORKS MinamiAoyama

Bespoke Podiatry Shop
MinamiAoyama,Minato
2019

南青山 オーダーメイドインソールの店

骨董通りと言う風情。この通り沿いに出店するのがブランドの格付けを意味する、とでも言うのか、新規参入の海外ブランドや資本系ブランドがズラリと並んでいた時代もあった。通りの両サイドは工務店やコンストラクターのトラックが年がら年中ズラリと並び、工事している連中だって鼻高々。作業服は修羅場の数々を物語っているような、気の抜けない連中ばかりが闊歩していた。
この建物は当時なかなか有名で、入居すれば出世間違いないばかりか家賃も相場より安いという非常に人気のビルヂングなのだった。ぼくも知り合いが事務所を構えていて、暖かいおにぎりの美味しい店だの蔵を改装したイタリアンレストランだの、当時は珍しいものの発祥地で、浮遊感のある日常を過ごして驚かせてくれる人達が集まっている所、それがこの界隈であった。
さて、施主は以前からの知り合いで、この物件に出会う前にも他の物件等一緒に見て廻っていた。物件を押さえる前、契約する前にぼくに声を掛けてくれて、ここどうですか?と、どんな店にできるのか確かめるというのは、目標地点を定めて共有することに大きく影響してくる行為だ。そういう時のぼくは、目つきというか、眼差しがガラリと変わるらしく、オホホやる気になりおったワイと、ほくそ笑む連中もいるらしい。

スラブのテクスチャーは荒かった。そこは往時の時代感を表していて、コンクリートの仕上がり精度は現代のものとは全く違う。ワイルドというよりはブリュット、いやフォーブというべきか。
この荒さを重量感へと変化させながら、清潔さを求めたい。
ぼくは施主の好みも考慮して、仕事場から持ち込む使い慣れた道具と彼自身が、新たな場所となるここで、人柄と仕事観をどのように伝えられるか、そんなことを考えていた。
昨今、店構えをどのように捉えるべきか、誰に来て欲しい店なのかを織り込まない事はない。何をつくるべきなのか然程悩むこともなかったけれども、ディーテイルと纏わせる色、そこに意識を置いていたと思う。

施主 個人事業主
事業形態 オーダーメイドインソール・オリジナルシューズ 製作・販売
所在地 港区南青山6-11-3神通ビル2F
工事種別 設計、解体工事、木造作工事、什器工事、石工事、鋼製建具工事、木製建具工事、LGS工事、左官工事、キッチン工事、ガラス工事、電気工事、衛生設備工事、塗装工事、照明器具
床面積 44.5㎡
主要仕上材 床:既存スラブ+防塵塗装、モルタル+防塵塗装
壁A:LGS+PB+AEP
壁B:躯体+AEP
什器:木製・鋼製什器
info:unidentified
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