わたしたちの生地ができるまで

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6月下旬、Studioline の帆布を織っている、岡山県倉敷市の帆布工場を見学に行きました。こちらは130年続く歴史ある工場で、今ではもう生産中止となった古いシャトル織機を職人さんが大切に手入れしながら使い続け、昔ながらの織り方で帆布を織っています。

この織機で1日に織れる長さはおよそ1反(50m)。最新の織機に比べたら(こちらの工場には最新の織機もたくさんありました)だいぶゆっくりということになります。それだけでなく、織り機にいくまでには「合糸」「撚糸」という糸を合わせたり撚りをかけ強度を増す工程、「整経」という織機用にタテ糸を巻いていく工程、「経通し」という糸を織機のパーツに手作業で1本1本通していき生地の柄を描いていく工程、そして織り上げられた後も職人の方による目視での検品や手作業による仕上げ、、とたくさんの工程が続き、そのすべてに職人の技術が必要です。

私は縫製スタッフとして毎日この帆布に触れていますが、何度見ても何度触れても、やっぱり良いなぁ、、と思う独自の味のある風合いがあり、それはこの古いシャトル織機というだけでなく、製作に携わる職人の方々の手仕事による魅力なんだということを改めて感じました。この生地を活かせるような良いものを作っていきたい、がんばります!

生地は生きものだから、という営業の方の言葉が印象に残っていますが、季節や天候によって湿度が変わると糸の状態も変わり、職人の方の長年の経験や勘、感覚というものがとても重要だそうです。Studioline の定番品、COAL BAG の特注の生地も、ロットによって手触りや硬さ、生地幅や紺糸の入り方が微妙に違います。この型では生地のみみからみみまでを使っているので、生地幅や紺糸の位置が違うと図面の数字通りにやってもうまくいかないこともあり、それをなるべく同じ形に仕立てるには、その生地に合わせて感覚で仕上げることもあります。そんなわけで、ひとつひとつ微妙に違いがありますが、自然素材の味として受け止めていただけたらうれしいです。