res-hongodai_001

Res. Hongodai

Residence
Hongodai, Yokohama
2017

Tag: ,

中古マンション改装
横浜市 地上12階8階 約65㎡ 築38年

首都圏で住宅の購入を考えている方は沢山いらっしゃいますが、今回はその中でも、ある領域内の少数派のストーリーではないなと感じる点が数多くあるケースでした。特に御就学前後のお子様がいるご家庭の参考になればと思い、ぼくらの思いも交えながら御届けしてみます。

先々のことまで見通すことが落ち着いて出来るのならばまた違うのでしょうが、毎日毎日多くのことと多少のトラブルを巻き込みながら今日を精一杯生きている子供たちと過ごしてみると、なんとパワーメモリーの減り方の激しいことよ。
親という任務をつとめなければならない地点に辿り着いた戸惑いと思い描く理想、そして反省。仕事も大変なのに、なんですかライフスタイルって。求められることと自分にできること、その擦り合わせの苦悩。
収入が突然増加するってことが、まるでブドウでも捥いでくるかのように簡単ならいくらでも採りに行くけど。
そんな中で理想の住まいを手にすることなんて可能なのか、いや理想に近づけることの難しさはわかってきた。転換点となる機会はどうすれば得られるのかな。
…今回のスタート地点はこういった状況でした。
都心エリアか郊外なのかで物件価格は全く違うものですが、幼い頃から育った街で、やはり地元に住み続けたいという今回のお客様は、エリアの選定には迷いませんでした。鎌倉に接する横浜市南西部で、「この辺りに住みたい」という目標は定まっていました。
購入物件の価格、自己資金、リノベーションにかけられる費用。問題はこの部分のやりくりと、実現したいプランとの折り合い。多くの方が首肯する箇所です。
どうして良いかわからないこともあって地域の工務店などに問い合わせてみたけれど、すぐにでも取掛かりたくなるプランは望みようもない様子。
予算のことをグサリと言われてしまって八方塞がりの状況にはなんか納得出来ないし、突破できるアイディアないのかな。
…ここでぼくらにご連絡頂きました。
リノベーション予算は¥500万円程度。広さと手をつける箇所から判断すると、現実には非常に難しい予算です。売り主がまだ居住中の物件に御邪魔して、制限される条件と、それによる可能なプランを洗い出してみました。様々な箇所に修復歴も見て取れますが、機器の交換時期は過ぎているし、今回やり替えるほかなさそうです。
予算には沿わないけれども、では通らない、これだけしかない、これでなんとかできないのか。
味わったことのある苦みばしった大人の味ではないでしょうか。
2004年にアトリエをつくったときと、自分の住まいを作ったとき、ぼく自身そういう経験はしています。
そうした皆の思いを練り上げたとでもいいますか、何もかも一挙に叶えることは出来なくても、近い将来そうなる様に予め準備はしておく。そのかわり今必要な部分には妥協しない。ぼくらはメリハリをつけながら計画していきました。
思い描いたのはリラックスしながらも自然と背筋が伸びるような、そんな静謐さを求めた住まいです。
見晴らしの良いテラスには北鎌倉から届く風が心地良く、盛夏でもエアコンが必要ないくらいでした。

所在地 神奈川県横浜市
工事種別 設計、解体工事、木造作工事、建具工事、家具工事、キッチン工事、給排水衛生設備工事、ユニットバス工事、床工事、金物工事、タイル工事、表装工事、塗装工事、電気工事、ガス工事
床面積 64.7㎡
主要仕上材 壁1:PB+塗装
壁2:躯体+タイル
天井:躯体+塗装
床1:オーク複合フローリング
床2:ラーチ合板
洗面台:耐水合板+メラミン化粧板
キッチン:SUSトップ
res-hongodai_plan

Behind the scenes

Left : 解体工事。床、既存フロア材は全て撤去。貼られたシールが以前の居住者を憶わせる。Right : 和室の造作も撤去。畳も素敵ですけどね。フロアを統一します。 Left : 既存ユニットバス、既存キッチンも全部撤去します。既存のフロアもスラブまで全て撤去します。Right : 床下にはこういった設備配管が転がってます。配管も古いので全て撤去です。 Left : 床スラブまでキレイに整えたらフロアの下地を作ります。竣工時は和室と洋室だったので掃出しサッシュのレベルが異なる所が悩ましいです。Right : 床下地完了。キッチン裏の壁下地は熱源付近になるので金属製下地材を使います。店舗工事のレギュレーションでは当たり前のことも、住宅工事では曖昧な場合が多いのですが、ぼくらの基準に従ってしっかりやります。 Left : 8階って高層階とは呼ばないけど充分高くて風の通りもいいですね。蚊がこない。Right : 構造用合板で床下地を整えたら、ホワイトオークのフロア材を張っていきます。この既存サッシュの納め方が難しいポイント。少し苦労したかな。 Left : 縁材を枠のように傾斜をつけたので納まりもこのように。Right : フロア完了です。クロゼットを造作していきます。 Left : 2回りほど大きなユニットバスを導入。壁の中に棚を埋め込むことにしました。Right : 既存枠を活かした場合のフロア施工要領ですね。Left : クロゼット完了です。かなり収納力があるので住み始めてからもスッキリと落ち着いて暮らせるはず。