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MAR

General Store
Yuigahama, Kamakura
2018

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鎌倉 日用品店

古都でありながら独特の新しさを育む土壌を持つ、鎌倉。
カットフェイスの数が多い多面体というか、さまざまな側面が隣り合わせに存在していて、見る人或いは見る角度によって印象や楽しみ方が異なる町。
ここは揺るぎない文化遺産と海、そして気候というバックアップのある、いわば約束された土地なのだ。オトナの皆さんはそれぞれのカマクラ文化を持っているだろう。

さて、リニューアルしたいという依頼を受けて訪問してみると、カラカラカラーというアルミサッシュの引き戸が印象的に鳴る、おそらく自分史上最狭の相手だった。11.3㎡(約6畳ちょい)。
これを小者とみるか猛者と捉えるかなのだが、ほとんどの場合は前者なのでカラカラカラーとなるが、ぼくはセマイ店の恐ろしさを充分に知っているのでここは後者、慎重に探りをいれることにした。

この物件で既に10年営業していることと、なぜ「今」改装したくなったのか。そういったぼくなりの気付きを質問しながら、自由にイメージの中を行ったり来たりしていると、アイディアの原石はすぐに発見できた。 ご連絡頂いた女性店主は相見積もりを他社からも取りたい等と正直なことを口にしている。ぼくはそういった情報を右へ左へ勝手に整理しながら、一足先に頭の中で真新しいお店を描かせてもらっている。
“なにしろこの明るいひかりと透明感だな。北向きというのも良い。落ち着きが出る。
釣具屋がいいんじゃないかな、フライの…。え?フライフィッシングなら…海寄りのフライ?それは30%くらいっていうか、ああいわゆる大物系ね、それは大切なのかもね。そうだよね…うん野営道具とか…まあオマージュとしての歴史的アーカイブ的ウェアなんかもたまに作ったりね…。“
…いま、どうしていきなり釣具屋のイメージになったんだろう。
え?あ、なんだフィッティングか、フィッシングに聞こえてた…。この狭さでゆったりとしたフィッティングルームに価値が出るなんて思いもしないだろうが、そういうアクロバティックなことが大切だし、それが得意なのだ。ぼくらは。

リニューアル後の棚に置かれるものを質問しながら、今は店主が取扱いを想定しない品物だったとしても、将来対処できるように準備しておきたいとぼくは夢想する。
タオルとかリネンの横に瓶詰や美しい保存食品とカンパーニュ。雨具と櫛、短編小説。店先に置かれたいくつかの小さな花束。冷えた瓶の自家製ジンジャーエール。店の横には値札の取れてしまった古いグラマン、アルミのカヌー。生エサありますの看板には魚が踊っている。
いいなあ、ガソリンも入れられて食事もできれば、なおいいなあ。

出来上がったお店はとても小さな日用品店だけれど、ぼくらの他の仕事にも負けない内容になった。照明器具以外は全てこの店の為の特製で、既製品を使用していない。
小さなお店は、刺激的だ。

施主 MAR
事業形態 服飾雑貨店舗
所在地 神奈川県鎌倉市由比ヶ浜2-5-1
工事種別 設計、解体工事、木造作工事、建具工事、左官工事、什器工事、鋼製建具工事、塗装工事、電気工事、鏡ガラス工事、テント工事
床面積 11.3㎡
主要仕上材 壁1:PB+塗装
天井:PB+塗装
床:モルタル+クリア塗装
サッシュ:スチール+塗装
カウンター:紅松無垢材
什器1:柱スチール+棚板SPF材
什器2:松無垢材
info mar-store.com/
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Behind the scenes

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